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貸主は修繕義務を負わないとされた事例

賃料額に照らし不相当に多額の費用を要する場合には貸主は修繕義務を負わないとされた事例
(東京高裁昭和56年2月12日判決)

事案の概要

貸主は、マンションの1室を、賃料月額3万8000円で借主に賃貸した。その後、賃料額は月額4万4000円に改定された。

借主が賃料を滞納しはじめたため、貸主は、賃貸借契約を解除する旨通知し、借主に対し、明け渡しを求めた。

これに対し、借主は、本件貸室の遮音構造が不完全であるので貸主にはその修繕義務があるのにこれを怠ったとして、賃料の3割の減額請求をし、その効力は賃貸借開始時に遡るとして賃料の滞納はないと反論した。

結論

本件において、貸主の修繕義務はなく、借主の主張は認められない。

理由

契約当初から賃借物に欠陥が存しても、賃貸人が修繕義務を負うべき場合とそうでない場合があり、その区別は、もともと賃貸人の修繕義務は賃借人の賃料支払義務に対応するものであるところからして、結局は賃料の額、ひいては賃料額に象徴される貸借物の資本的価値と、欠陥によって賃借人がこうむる不便の程度との衡量によって決せられる。

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