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借地契約の存続期間や更新期間はどれくらい?地主なら知っておきたい基礎知識

マジックで書かれた基礎知識の文字

地主なら知っておきたい借地契約の基礎知識に、借地契約の存続期間・更新期間があります。
先祖代々から地主をしている方々は、旧法(借地法)を含めて、借地契約の存続期間・更新期間について、法律ではどのように規定されているのか、きちんと理解しておくべきでしょう。
ここでは、次の3つをテーマに解説していきます。

・旧法と現行法の違い
・旧法と現行法の共通点
・旧法と現行法の存続期間および更新期間

借地契約の基本:「旧法(借地法)」と「現行法(借地借家法)」の相違点

借地契約の基本をおさらいしてみましょう。借地借家法の適用がある借地権には次の3種類があります。

1. 普通借地権
2. 定期借地権(借地借家法 第22条~第24条)
3. 一時使用目的の借地権(同法 第25条)

普通借地権をはじめとする上記3種類の借地権は、1991年(平成3年)公布、1992年(平成4年)8月1日から施行された借地借家法に基づくものです。
1992年(平成4年)8月1日以降に締結された借地契約には、現行の借地借家法が適用されます。
一方、1992年(平成4年)7月31日以前に締結された借地契約には、旧法(借地法)が適用されます。
旧法(借地法)、現行法(借地借家法)のどちらが適用されるかは、契約の締結時期によって決まります。
そのため、例えば、1992年(平成4年)7月1日に締結された借地契約が、2012(平成24年)7月1日に更新された場合、更新契約は、旧法(借地法)の適用となります。

▽借地契約に適用される法律

契約締結の時期 1992年7月31日以前 1992年8月1日以降
適用される法律 旧法(借地法) 現行法(借地借家法)

「旧法(借地法)」と「現行法(借地借家法)」を比べると、次の3点が大きく変わりました。

旧法(借地法) 現行法(借地借家法)
借地権・借家法の2本立ての構成 借地借家法に統合
建物が堅固・非堅固で存続期間が違う 左記のような規定はない
建物が朽廃した場合は借地権が消滅 左記のような規定はない
右記のような規定はない 更新後に建物が滅失した場合、借地権者が地主の承諾を得ずに残存期間を超えて存続する建物を築造したときは、地主は借地契約の解約の申し入れができる

特に「旧法」と「現行法」の借地権の比較で重要なのは、存続期間や更新期間の違いです。では、具体的にどのような違いがあるのかを比較していきましょう。

「旧法」と「現行法」に共通する3つのポイント

まず、旧法と現行法を比較する前に、前提条件として覚えておきたいポイントが3つあります。以下の3点は「旧法」と「現行法」に共通するポイントです。

1. 契約当初の存続期間と更新期間の長さが違う 2. 存続期間・更新期間を定めなくても契約期間が確定される 3. 法律を無視した期間を設定しても効力がない

それぞれの内容を見てみましょう。

ポイント1:契約当初の存続期間と更新期間の長さが違う

借地契約には「契約当初の存続期間」と「更新期間」があり、両者の期間が異なります。 「旧法」と「現行法」のいずれも、法律で規定されている契約当初の存続期間は、更新期間よりも長く設定されています。

*「存続期間」とは、権利が有効に存続する期間のことです。

ポイント2:存続期間・更新期間を定めなくても契約期間が確定される

借地契約において、様々な思惑から「あえて存続期間や更新期間を定めない」という選択をしたとします。
この場合、「旧法上の借地権」と「現在の普通借地権」のいずれも、「期間を定めなかったら○年」のように自動的に契約期間が確定します。

ポイント3:法律を無視した期間を設定しても効力がない

借地契約において、法律が定めている存続期間や更新期間に満たない期間を設定しても効力がありません。
たとえば、法律で借地期間が「30年以上」と定められているのに、借地契約で「20年」と決めても、法律で規定されている期間が優先されます。

契約当初の存続期間について:「旧法(借地権)」と「現行法(普通借地権)」の比較

では、ここから先は、「旧法(借地権)」と「現行法(普通借地権)」の具体的な比較をしていきます。両者の存続期間の大きな違いは以下の部分です。

・旧法(借地権):堅固な建物を所有する目的か否かで期間が変わる
・現行法(普通借地権):堅固な建物を所有する目的か否かで区別せず期間が同じ

なお、「その建物が堅固か否か」は以下の要素をもとに総合的に判断されます。

・耐久性
・耐震性
・耐火性
・堅牢性
・解体の容易性 など

一般的に考えられる「堅固な建物」と「堅固でない建物」の代表的な構造は次の通りです。

・堅固な建物:石造、土造、レンガ造、鉄筋・鉄骨コンクリート造
・堅固でない建物:木造、軽量鉄骨造

これらの内容を踏まえると、たとえば土地上に耐久性などのあるRC造マンションが建っている場合、旧法ではそれによって存続期間が変わってくる、現行法では存続期間が変わらないとなります。

旧法:借地契約当初の存続期間

前述のように、旧法の存続期間は、堅固な建物を所有する目的か否かで変わってきます。

[堅固な建物を所有する目的の場合]

・借地期間を30年以上と定めた場合、その定めた期間
(例:借地期間30年→30年、借地期間40年→40年)

・借地期間を30年未満と定めた場合、60年
(例:借地期間20年→60年、借地期間10年→60年)

・借地期間を定めなかった場合、60年
(例:これまで借地期間について当事者で話したことがない→60年)

[堅固ではない建物を所有する目的の場合]

・借地期間を20年以上と定めた場合、その定めた期間
(例:借地期間20年→20年、借地期間30年→30年)

・借地期間を20年未満と定めた場合、30年
(例:借地期間15年→30年、借地期間10年→30年)

・借地期間を定めなかった場合、30年
(例:これまで借地期間について当事者で話したことがない→30年)

現行法:借地契約当初の存続期間

前述のように、「現行法」の存続期間は、堅固な建物を所有する目的か否かで区別することなく決められています。

・借地期間を30年以上と定めた場合、その定めた期間
(例:借地期間30年→30年、借地期間40年→40年)

・借地期間を30年未満と定めた場合、30年
(例:借地期間20年→30年、借地期間10年→30年)

・借地期間を定めなかった場合、30年
(例:これまで借地期間について当事者で話したことがない→30年)

借地契約の更新期間:「旧法」と「現行法」の比較

次に、更新期間について確認していきましょう。こちらも「契約当初の存続期間」と同様、旧法と現行法では、以下の部分に違いがあります。

・旧法:堅固な建物を所有する目的か否かで期間が変わる
・現行法:堅固な建物を所有する目的か否かで区別せず期間が同じ

旧法:借地契約の更新期間

堅固な建物を所有する目的の方が、そうでない場合に比べて、更新期間が長くなっています。これは先ほどご紹介した「契約当初の存続期間」と同様です。

[堅固な建物を所有する目的の場合]

・借地期間を30年以上と定めた場合、その定めた期間
(例:借地期間30年→30年、借地期間40年→40年)

・借地期間を30年未満と定めた場合、30年
(例:借地期間20年→30年、借地期間10年→30年)

・借地期間を定めなかった場合、30年
(例:これまで借地期間について当事者で話したことがない→30年)

[堅固ではない建物を所有する目的の場合]

・借地期間を20年以上と定めた場合、その定めた期間
(例:借地期間20年→20年、借地期間30年→30年)

・借地期間を20年未満と定めた場合、20年
(例:借地期間15年→20年、借地期間10年→20年)

・借地期間を定めなかった場合、20年
(例:これまで借地期間について当事者で話したことがない→20年)

現行法:借地契約の更新期間

現行法は、「堅固な建物を所有する目的か否か」で区別せず、更新期間が決まっています。ただし、「最初の更新」と「2回目以降の更新」では、期間が変わってきます。

[最初の更新の場合]

・借地期間を20年以上と定めた場合、その定めた期間
(例:借地期間20年→20年、借地期間30年→30年)

・借地期間を20年未満と定めた場合、20年
(例:借地期間15年→20年、借地期間10年→20年)

・借地期間を定めなかった場合、20年
(例:これまで借地期間について当事者で話したことがない→20年)

[2回目以降の更新の場合]

・借地期間を10年以上と定めた場合、その定めた期間
(例:借地期間15年→15年、借地期間20年→20年)

・借地期間を10年未満と定めた場合、10年
(例:借地期間8年→10年、借地期間5年→10年)

・借地期間を定めなかった場合、10年
(例:これまで借地期間について当事者で話したことがない→10年)

以上、借地契約の存続期間と更新期間について解説してきました。とはいえ、情報量が多いので「なかなか覚えられない」という人もいらっしゃるでしょう。 その場合、まずは「現行法の契約当初の存続期間」だけでも覚えてみましょう。

この部分を完璧に覚えたら、現行法の更新期間、さらには旧法の知識を追加していくとよいでしょう。

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