借地権の譲渡(売却)するにあたって、地主に支払う「承諾料の相場」を知りたい人も多いでしょう。譲渡承諾料の相場は「借地権価格の10%」が目安です。この記事では、借地人の方々が気になる、以下のテーマをわかりやすくまとめています。
・借地権の譲渡承諾料の相場(計算例)
・借地権を譲渡する際に得られる借地権価格(計算例)
・借地権譲渡に必要な承諾書のポイント
本稿は、借地権の譲渡を打診されている地主にも役立つ内容です。
借地権の処分方法は?借地権譲渡をおすすめする理由は?
はじめに、借地権の処分方法について整理しましょう。借地権の処分方法には「地主への返還」「第三者への譲渡」の2つの選択があります。このうち、おすすめしたいのは「借地権の第三者への譲渡」です。その理由について詳しく解説します。
借地権は所有しているだけで、費用がかかり続ける
・以前契約した借地があるが現在は利用してない
・借地上の建物を相続したが空き家になっている
上記のようなケースで「借地権を処分したい」という方々もいらっしゃいます。こういった活用していない借地権でも、借地人は以下のような費用を支払い続ける必要があります。
・地代
・固定資産税
・管理費 など
借地に建っている建物を「賃貸物件として活用できないか」と検討する方もいらっしゃいます。しかし、「リフォーム費用がかかる」「賃貸のニーズがない」などの理由で断念し、最終的に借地権を処分するケースも多いです。
借地権譲渡の方が借地人のメリットが大きい
ひと口に「借地権を処分する」といっても、次の2つの選択肢があります。
・借地権を地主に返還する
・借地権を第三者に譲渡(売却)する
この選択肢のうち、借地人の経済的なメリットが大きいのは「借地権を第三者に譲渡すること」です。借地権は、借地人の財産で売買の対象になります。借地権を地主の方に返還してしまうとお金を得ることはできません。一方、借地権を第三者に譲渡すれば、対価が得られます。
そのため、借地に市場価値があるなら、借地権譲渡を検討するのが賢明です。また、借地が田舎や立地の悪い場所にあり市場価値が低くても、近隣の方などが借地権の購入を希望されるケースもあります。
条件のよい借地権なら「更地価格の60〜70%程度」の価値がある
では、借地権譲渡を選んだ場合、どれくらいの借地権価格が見込まれるのでしょうか。これは、借地の立地や条件などによってケースバイケースですが、大都市圏の借地権であれば「更地価格の60〜70%程度(住宅地の場合)」が目安となります。
上記を計算式で示すと「更地価格×借地権割合=借地権価格」となります。仮に、更地価格の相場が3,000万円で、借地権割合が60%だった場合、1,800万円(3,000万円×60%)の借地権価格が見込めます。
このように条件の良い土地であれば、借地権譲渡で千万円単位の借地権価格を得られます。借地権を利用しないのに所有し続けても、地代、固定資産税、管理費などがかかり続けるだけです。 早いタイミングで借地権を譲渡した方が、賢い選択といえるでしょう。
借地権譲渡に必要な承諾書とは?作成ポイントは?
借地人が借地権を譲渡(売却)する場合、地主の承諾を得なければなりません。合意した内容を書面にしたのが「借地権譲渡承諾書」です。作成時のポイントとして次の3つが挙げられます。
ポイント1.まずは借地人が主導で地主に許可を取る
まず大事なことは、借地権譲渡の承諾は、借地権を販売する前に必ず取ることです。事後報告はトラブルの元です。借地人が地主を訪問するなどして「借地権を第三者に売却してよいか」の許可をとるのが一般的です。
不動産会社主導で地主の承諾を得る方法もあります。しかし、知らない人から突然、借地権譲渡のお願いされても地主が戸惑ってしまう可能性があります。借地人のみ、または借地人に不動産会社が同行する形で、借地権譲渡のお願いをするのがよいでしょう。
ポイント2.借地権譲渡がしやすい条件に調整する
地主から借地権の譲渡の許可が出たら(または許可が出そうだったら)、次の段階では、不動産会社などを交えて条件を詰めていきます。借地権譲渡の条件例は次の通りです。
・借地権の譲渡承諾料をいくらに設定するか
・地主から地代の値上げの要請があるか
・建て替え承諾料が必要か など
地代の値上げについては、相場とかけ離れた金額になってしまうと、借地権の買主に断られてしまう可能性があります。地主から地代の値上げ要請がある場合も、相場に近い範囲に収まるよう調整することが望ましいでしょう。
ポイント3.借地権に強い専門家のもとで承諾書を作成する
譲渡後の地代や譲渡承諾料などについて合意がとれたら、その内容に沿って「借地権譲渡承諾書」を作成し、地主と借地人の双方で署名捺印をした上で保管します。
ここで注意したいのは、借地権に強い専門家(不動産会社や弁護士)のもとで、借地権承諾書を作成することです。必要な条項が抜け落ちていたり、借地人に不利な条件になっていたりするとトラブルのもとです。
借地権の「譲渡承諾料」の相場は?販売する際のポイントは?
一般的に、譲渡承諾料の金額と支払い期限は「借地権譲渡承諾書」に記載されています。
承諾料の目安は、借地権価格の10%です。詳細と計算例を確認しましょう。
譲渡承諾料の相場は、借地権価格の10%が目安
借地権譲渡の承諾を得る際には、地主への対価として「譲渡承諾料」を支払うのが通例です。なお、譲渡承諾料の相場は、借地権価格の10%が目安です。
[譲渡承諾料の計算の一例]
下記は、譲渡承諾料の計算の一例です。更地価格2,000万円で借地権割合60%の借地権の譲渡承諾料は、120万円程度が目安となります(借地権価格の10%で計算した場合)。
・更地価格2,000万円×借地権割合60%=借地権価格1,200万円
・借地権価格1,200万円×譲渡承諾料の相場10%=譲渡承諾料120万円
借地権の買い手を探す際のポイント
借地権譲渡は、一般的な不動産売買よりも内容が複雑です。買主に対する丁寧な説明も必要となります。このことを考慮すると、個人間での借地権の売買は、トラブルに発展する可能性があるため絶対に避けるべきです。
借地権を売却する場合は、借地権売買で実績の多い不動産会社にサポートしてもらうと安心でしょう。借地権に詳しい不動産会社なら必要に応じて、譲渡承諾料の計算、承諾書の作成、借地の測量などのサポートを提供してくれるはずです。
*どこまでサポートしてくれるかは不動産会社によります。
地主の承諾が得られない場合は、裁判所の許可の申し立てが必要
ここで解説した借地権譲渡の内容は、地主がスムーズに承諾してくれた時のことを想定しています。ただ実際には、地主が借地権譲渡を承諾してくれないケースもあります。その場合は、裁判所に「地主の承諾に代わる許可」の申し立てを行う必要があります。
当事務所は、底地・借地トラブルに強い法律事務所です。地主との借地権譲渡の条件交渉や、裁判所への許可の申し立てなど、借地権譲渡のことでお困りの借地人の方はお気軽にご相談ください(初回相談料30分無料)。
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