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賃貸借契約に関する法律

借主を保護する借地借家法

建物の貸し借りにあたり、強い立場にあるのは、一般的に貸主のほうといえます。ただ、借りる側にとって、建物の賃貸借は、自分の生活の拠点を確保するために必要不可欠なものであり、切実な問題です。ですから、賃貸借に関する法律や、その法律を根拠とする判決(判例)によって、弱い立場である借主は保護されています。

たとえば、建物の賃貸借契約では、多くの場合、賃貸借期間を2年間と設定しています。これがそのまま適用されると、借主は2年後に貸主が契約の更新に同意しない限り、出ていかなければいけません。これでは借主は、安心して生活を送ることができなくなってしまいます。

そこで法律では、賃貸借期間が終わっても、よほど正当な理由がない限り、貸主は契約の更新を拒絶することができないと規定しています。

このような賃貸借に関するルールを定めた法律として、借地借家法があります。借地借家法は、平成3年に施行された法律で、建物や土地の賃貸借に関する規定を定めた法律です。

なお、平成4年7月31日以前に締結された賃貸借契約には、借家法という古い法律が適用されます。平成4年7月31日以前の契約であれば、その後に契約が更新されても、借地借家法ではなく借家法が適用されます。

借家法と借地借家法

消費者契約法にも注意

建物の賃貸借に関係する法律は、借地借家法、借家法だけではありません。平成13年4月1日に施行された消費者契約法にも注意が必要です。

消費者契約法とは、一般消費者の保護を図るために制定された法律です。この法律によれば、事業者の行為によって消費者が誤った認識(誤認)をしたり、十分納得しないまま契約した場合には、消費者はその契約を取り消せることになっています。また、消費者の利益を不当に損なうような契約条項自体も無効になるとしています。

消費者契約法は、一般消費者と事業者間の契約に適用される法律ですが、この「事業者」には、事業のために契約の当事者となる「個人」も含まれます。貸主と借主が契約をかわす賃貸借契約も例外ではないのです。

最近、賃貸借契約の一部の条項について、一方的に消費者(借主)の利益を損なうものだとして、消費者契約法を適用して「無効である」とする判例が相次いで出されました。

たとえば、大阪高裁平成16年12月17日判決は、通常の使用によって生じた建物のキズや劣化で、本来貸主が負担すべきものを、借主側の負担とすると規定した契約条項について、これを無効としました。また、契約期間2年に対し月額賃料2ヶ月分の更新料を支払うという内容の更新料特約が、消費者契約法10条に反し、無効であるとする判決(京都地裁・平成21年7月23日判決)も出されています。

賃貸建物の契約については、このように、さまざまな法律で借主の保護が図られています。

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